前回、鹿児島に来た時に行きたいと思いつつ、行けなくて断念したお寿司屋さんに、鹿児島到着するなり、真っ先に向かいました!その位、行きたかったお寿司屋さんです。
天文館あたりの【紫光(しこう)】です。
鹿児島では、【すし匠・のむら】らと並び称される〜屈指の名店です。
入り口から鄙びた風情の良き趣を感じさせます。
まず、このお寿司屋さんは午前11時30分〜夜22時位まで通し営業!をしていると言う点では、お席が空いていれば、何時でも入れてくださいます。
かと言って…安っぽさは皆無で、仕事を疎かにしてる感は微塵もなく、味も抜かりありません。
カウンター席、大将の真正面に着座します。初めての一流寿司屋さんで大将と1人で向き合うのは、今でも緊張するものです(苦笑)
お任せの握りで……
アジ・コハダ・鯛・マグロ(赤身・トロ2種)・イカ・・カツオ・ウニ・赤貝・ミル貝・アワビ・アナゴ・玉子などなどで本編終了(大将とのお話で夢中になり忘れているネタがあります(^^;))しましたが……
コハダの締め方(締まり方)1つにしても独創的で素晴らしく、閉じ込めた旨味がぐぅ〜っと立ち上がってきます。カツオ(ハガツオ)も風味から最高で、シャリを包んだ一体感ある味わいに唸ります。イカも細く切り合わせ〜【吉冨】を思わせる、ウニをのせています。他にアワビの柔らかさや、貝モノのクセや臭みを完全にかき消した秀逸の出来映えも◎。アナゴもタレか塩かを聞いて握ったりと細やかな配慮もあったりと心憎い一面も。所々で薬味や飾りも織りなし、懐の深さと幅も感じさせます。
「今の時期の天候で、魚が少ないもので……」と恐縮されていましたが、初回にしては充分すぎる程、満喫しました☆
形状やサイズも変えてくる、シャリや砂糖なしのガリもすっきりして、僕好み。
最後、お口直しの青梅の丸ごと1個の煮付け?が、この時期限定で出されましたが、ワインで味付けしたという味わいは、口の中で噛んだ瞬間、一瞬にして官能的味わいがパァーっと広がります。最後にこんなサプライズ感が待ってるとは……。
この地で27年の歳月を数える〜【紫光】の大将は、京都や大阪で修行されたそうで、そこで学んだ事の大切さの1つに、博多らと違って、"海が遠い"という不利な要素の中で、どうしながら魚を管理し提供するかという事だったそうです。確かにそんな話を聞くと、僕が直前に予約を入れて〜行っても常に仕込み万全の体制を整えています。そんな恩知が成す、味や技術に関しては最上級である事は、疑いようもありません。
しかも、それに負けない〜物腰柔らかく、優しい笑顔とささやかに話される、大将の人間性もお寿司屋さんにしては珍しく?(苦笑)、裏表を感じさせない、素晴らしさがあります。先だっての佐賀【肉上手】同様に印象的でした。
お酒なしで、お任せ握り+アンコール4カンで10500円。聞いていたよりあまりに安くてビックリ。文句などあるわけもありません。
お寿司に関しては、意識している訳ではないのでしょうが……小倉【もり田】、福岡【吉冨】【秘密の寿司屋】らで感じた、良きエッセンスが合わさっているような錯覚さえを覚えました。
僕がこんな風に感じるのも珍しかったりしますが。
いやはや、とにかく…【寿司匠・紫光】、素晴らしいお店です。
こちらも、福岡から新幹線に乗ってでも行く価値はあるでしょう。
鹿児島に点在する、幾つかの名店〜恐るべしを痛切に感じた幸先でした。
ご馳走さまでした。そしてまた…新たな〜お店や食の魅力を知れまして感謝いたします。ありがとうございました!