おかげさまで。
- 2012/06/17 23:07
最近好きな一文を紹介します。東北の詩人・宮沢賢治にも通ずる"気"を感じます。
題:「おかげさまで」
夏がくると、冬がいいと言う。冬になると、夏がいいと言う。
太ると痩せたいと言う。痩せると太りたいと言う。
忙しいと閑になりたいと言い、閑になると、忙しい方がいいと言う。
自分に都合のいい人は善い人だと褒め、自分に都合が悪くなると、悪い人だと貶す。
借りた傘も雨があがれば邪魔になる。
金をもてば古びた女房が邪魔になる。
世帯を持てば親さえも邪魔になる。
衣食住は昔に比べれば天国だが、上を見て不平不満の明け暮れ隣を見て愚痴ばかり。
どうして自分を見つめないのか。
静かに考えてみるがよい。
一体、自分とは何なのか… 親のおかげ、先生のおかげ、世間様のおかげの塊が自分ではないか?
つまらぬ自我妄執を捨てて、得手勝手を慎んだら〜世の中はきっと明るくなるだろう。
オレがオレがを捨てて、おかげさまで、おかげさまでと暮らしたい。