いつかの少年。
- 2014/07/06 21:15
叩きつける7月の雨を見ると、必ずや〜思い出します。
「いつかの少年」
俺にとって、KAGOSHIMAはいつも泣いてた。ひ弱で不親切で邪険な街だった。
親父とお袋は泥にまみれ、銭をうらやみ、そのド真ん中で俺は打ち震えていた。
ごうごうと不安が立ち昇る棲み家を凍える風が暮らしをすり抜けていった。雨どいを伝う雫を見るのが、たまらなく嫌だった。逃げ出したくて想いをかきむしるだけだった。
俺の人生は、どこから始まり、いったいどこで終わってしまうんだろう。
突き動かされる、あの時のまま、そう、いつかの少年みたいに。
乾ききれない浴衣が揺れていた。縁側のむこう、遠い記憶がかすんでく。俺は今、ゆれる船の上に立ち、叩きつける7月の雨を見ている。
全てが一秒ごとに意味深く進んでる。水平線からどてっ腹に陽が昇る。今日と昨日とが激しく違う事を知った今、俺はKAGOSHIMAを突んざく波に捨てた。
俺の人生は、どこから始まり、いったいどこで終わってしまうんだろう。突き動かされる、あの時のまま、そう、いつかの少年みたいに。
俺の人生は、どこから始まり、いったいどこで終わってしまうんだろう。突き動かされる、あの時のまま、そう、いつかの少年みたいに。
長渕 剛