長渕〜LIVE!
- 2009/09/25 23:43
今日は〜約2年ぶりの長渕 剛のLIVEである。
昔ほどの熱狂的ファンのテンションとエネルギーはないにせよ…CDが出れば買うし〜LIVEで来れば行くという感じである。
所は、いつもの[マリンメッセ福岡]である。
今回のアリーナツアーはコンパクトな全10本の行程で、早くも終盤に差し掛かり‥残すとこ3本となっている。
長渕にとって…第2の故郷〜博多。
しかし…今回のツアーは初日からのセットリストを見る限り、なかなか気が乗らない内容である(^^;)。
初日の曲数〜16曲と知ったときには、愕然としたモノである(・・;)。
ツアーが進むにつれ〜 曲数は増えているが… まだまだ前回のツアーと"タメ"を張れるまではなっていない。
20年以上観ていれば〜わかってきます(苦笑)。
さて〜その福岡公演。
超満員の〜会場からは、開演前に恒例の「剛コール」がこだまする。
場内に流れる〜BGM・イーグルスの[テイク イット イージー]が大音量になったとこで暗転。
18時37分…後方からのバックスポツトに照らされた長渕のシルエットが浮かび上がる。
幻想的かつ荘厳なシンセが轟く。
1993年のLIVE「JAPAN」のオープニングを彷彿とさせる。
あの時の長渕は…病的な頬のこけかたや、とりつかれたかのような異人種的キャラで、虚像イメージに押しつぶされんばかりに、アコギを代名詞としていた。
それから〜時を経た今…ギターはエレキに変わり、華奢なカラダは、褐色の隆起した肉体へと変貌を遂げた。
オープニングはニューアルバムから「SAMURAI」。
弱った日本へ高らかに、力強く〜吼えるよう皆が合唱する。
ステージ上の長渕は、ヘビ柄のジャケットに、インは光沢の真っ赤なシャツを羽織るという(^^;)‥‥ステージ衣装だからこそ?、見ていられるセンスである(苦笑)。
ステージセットは〜近年稀に見る位、極限まで削ぎ落としたかのような骨格しか目にはいらないような…左右全長50m位のいたってシンプルな造り。悪く言えば〜ローコストかつ質素。前回が前回なだけになおさら(x_x;)。
長渕は、ツアー前に「今回はロックンロールショーを見せる」と語っていた。
ここまでツアーは、良い感じで〜"揉んで""練り込んで"来たのであろう…。ステップは小ぎざみに‥ギターの音色は本人も自賛し〜声は軽やかに伸びている。
それにしても強気である。今をさらけ出し…表現するかのように、ニューアルバムからの曲を前半から連発である。
「ヒット曲にすがりつくような事はしたくない」
長渕が公言してはばからない持論である。
常に"今"である。
途中〜MCで、博多で住んでいた頃の、懐かしい話しを綴る。
長渕が、この手の話しをするのは…もちろん博多ならではで〜LIVEでも稀である。
「とんぼ」「俺らの家まで」「西新宿の親父の唄」「勇次」といった…往年のファン歓喜の曲も披露。
客席を見渡すと…、拳を突き上げる〜老いも若きも、それぞれの人生を背負い、ここへ辿り…喜怒哀楽をさらけ出し、この日〜この場所〜この瞬間を共有しているのであろう。
"人生劇場"の一片を見ているかのようである。
長渕が小槌のように、手でギターのボディを"叩き"〜弾き語りで唄った「激愛」は、ディープブルーの深海へ心中するかのような"静"であり……
対を成す「桜島」は…ドクドクとマグマの如く〜真っ赤な鮮血のように鮮烈で、ほとばしる情熱の"動"である。
長渕も、客も、歌も、音も、照明も、全てが融合し〜連動しながら織り成す…真の大衆芸術。
ラスト3曲は……長渕・中期の佳作アルバム「ライセンス」から〜2曲‥「明日へ向かって」「PLEASE AGEIN」。
そして‥‥弾き語りの「逆流」で"画竜点睛"。
終わってみれば…全24曲・3時間のLIVEであった。
やはり…"徹頭徹尾"〜歌手としてのコンサートを超越した〜一級・一流のエンターテイナーとしての芸術的舞台であるコトは間違いない。
言霊のように唄う「逆流」での‥[だって、僕は僕を失う為に生きてきたんじゃない]というフレーズを連呼する姿は…「俺は全てを肯定として生きていく」と言う、長渕の揺るぎない信念に他ならない。
まだまだ…新たな可能性を感じさせてくれるに相応しい〜音夜であった。
さて…‥早くも〜来月からの、デビュー30周年記念・弾き語りホールツアーが見たくて仕方ない。
大晦日には〜神戸で、長渕・初のカウントダウンLIVEも開催が発表されている。
灯された火は、リレー式のバトンのように、まだまだ〜消える事なく伝われてゆく‥‥。
…………………………
さぁ〜これから今夜も、フィルミークロスへ行き…長渕が僕に描いてくれた「生涯現役」の四文字を見て、従事するとしよう。